人生100年時代構想とその課題

9月11日に「人生100年時代構想会議」が開催されました。

そこで本日は、この人づくり革命の具体策を検討するものとして設置された「人生100年時代構想会議」について見ていきましょう。



人づくり革命とは

「人づくり革命」は6月19日に行われた通常国会閉会直後の記者会見にて、安倍首相が打ち出したものです。

以下が記者会見で首相のコメントになります。


"家庭の経済事情にかかわらず、高等教育を全ての子供たちに真に開かれたものにしていく。リカレント教育を抜本的に拡充し、生涯にわたって学び直しと新しいチャレンジの機会を確保する。これらに応えるため、当然、大学の在り方も変わらなければなりません。人づくりこそ次なる時代を切り拓く原動力であります。これまでの画一的な発想にとらわれない「人づくり革命」を断行し、日本を誰にでもチャンスがあふれる国へと変えていく。そのエンジンとなる有識者会議をこの夏、立ち上げます。いわば「みんなにチャンス!構想会議」であります。そのための体制を来月中に整えます。”

これは森友学園、加計学園、日報問題などの与党支持率が低下していたタイミングなので、支持率向上のための打開策の1つであった可能性があります。


ではその人づくり革命の中心にある「人生100年時代構想会議」の焦点となっている3つの具体的な項目について見ていきたいと思います



①幼児教育の無償化

現在既に低所得のひとり親世帯や子どもの多い世帯の幼児教育、保育を無性にしていますが、この対象を全世帯に広げるという施策になります。


課題としては財源が挙げられます。

0~5歳の教育、保育の完全無償化には約1.2兆円の公費が必要だとされています。

この財源として提唱されているものが「こども保険」になります。

こども保険は、働く人の報酬の0.3~0.4%の保険料を徴収するとされていますが、所得の高低によって保険料に大きな差が生まれてしまうことで制度設計の課題も見えてきています。



②すべての人に開かれた大学教育の機会確保

ここで焦点となっているのが、給付型奨学金の拡充についてです。

授業料の減免拡大も合わせて検討されています。


これらは「志があっても経済的に恵まれない若者が勉学に専念できる環境整備が必要だ」という観点からの制度改革です。


ここにおいては意見が大きく分かれています。

大学を卒業すればなんとかなるという考えについて反対意見も多く、ばらまき政策のひとつだという批判も多く存在します。

給付型奨学金を考える上では大学教育に対する議論も必要になってくるので、人によって意見が大きく対立するでしょう。


ちなみにあの話題の上西議員はTwitterで否定的なコメントを残しています。



③社会人を対象としたリカレント教育の拡充

リカレント教育とは、義務教育又は基礎教育の修了後、生涯にわたって教育と他の諸活動(労働や余暇)を交互に行う教育システムのことを指します。


長期雇用が社会的慣行として存在する日本において馴染みにくくあります。

また仕事において必要なスキルや知識は企業内で習得していくという文化も妨げの要因となっておいます。

現在は働き方の多様化、キャリアアップを目指す人の増加などを背景にリカレント教育が注目されています。


しかし、なかなかキャリアを中断して就学することが難しい現状に目を向けられた形になります。

実行する上での課題としては、受け入れる環境整備が挙げられます。

具体的には、有給教育制度の整備、行政からの支援や給付金、カリキュラムの拡充がまだまだ必要です。


日本女子大学などでリカレント養育過程などが採用されており少しずつ環境整備が進んでおり、この政府改革によって更に加速されていくことでしょう。



最後に

これまで「人生100年時代構想会議」の中心である3要素を見てきました。

3つの要素はすべて、立場が変わると意見が正反対になるような論点ばかりです。


そこで政府として忘れてはならないのが、日本という国を主語として政策を実行することです。

そのため直近の支持率回復など政党のプレゼンスを高めるための政策ではなく、本当に国民のための「人づくり革命」を行うために議論してくれることを望みます。


また民間から新たな可能性を示していくことが政府の具体的な政策立案の補助になることは間違いないでしょう。

各人が自分の人生を考える上でこの政策の動向から目を離せません。

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